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旧石器遺跡捏造 (文春新書)

, 河合 信和

によって 河合 信和
3.8 5つ星のうち 8 人の読者
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内容紹介 学会もメディアもなぜかくもたやすく騙されたのか あまりにもお粗末だった捏造の手口。その検証のプロセスをたどって、考古学史上最大の汚点とも言われた事件の全容を明らかにする 内容(「BOOK」データベースより) 藤村新一氏の旧石器遺跡捏造の手口は、科学的にはあまりにお粗末なものだった。だが、考古学の知識が乏しく、講演会で初歩的な質問に立ち往生したほどの彼は、二十数年間も小細工を続けて、輝くばかりの功績を数多く上げている。考古学界やマス・メディアは、なぜかくも容易にだまされ続けて来たのだろうか。本書は彼が関わった遺跡や石器などの科学的検証のプロセスを詳細にたどり、藤村氏の人間的な側面にも触れて、考古学史上最大の汚点とも言われた事件の全容を明らかにする。 商品の説明をすべて表示する
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この書物は、「日本考古学史上最大の汚点」と呼ばれた捏造(余談だが、本来の読みは「デツゾウ」である)事件の全容を、様々の側面から説き明かした力作である。かつて私は、T教授(藤村新一氏にも何度かお会いになっている)からこの事件の全容をお聞きしたことがある。そこで初めて、この事件が、「考古学」にはとても収まりきれない「大事件」であったことを思い知らされたのである。本書で語られることは、おもに、「捏造発覚その後」の検証の記録と、過去に藤村氏を手放しで絶賛していた著者自身の「反省」である。捏造石器を逐一検証していく過程は、素人の私にも理解できるように説いている。そしてまた、藤村氏の人間的な側面(それは果して虚像であったのか)に触れたうえで、まだ藤村氏の「真実」が語られていないことについても言及している。いまだに、「闇」の部分が多いのである。それでもなお、著者はこの事件を、「科学的精神」を見直すうえでの反省材料として今後に生かそうとも提案している。ところで、忘れてはならないのは、スクープ記事で「捏造」をすっぱ抜いた新聞社も、藤村氏の「虚像」をつくり上げるのに荷担したという意味で「加害者」であった、ということである。T教授も、卑劣きわまる取材攻勢と虚偽に満ちた報道とに閉口しておられた。そういった事実も、本書ではやんわりと批判するかたちで語られている。

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