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個人尊重の組織論―企業と人の新しい関係 (中公新書)

, 太田 肇

によって 太田 肇
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内容紹介 個人の視点からの組織論これまでの経営学や組織論は、経営者あるいは組織の立場からのものがほとんどでした。しかし、個人の立場に立つと、全く別の側面がみえてきます。当たり前と思われてきた慣行に大きな問題があったり、「人間的」と考えられてきた組織が実は個人の自由や権利を妨げている場合もあります。本書は、個人の立場、とりわけその本音の部分に肉薄し、そこから新たな組織論を構築しようと試みたものです。また、承認欲求(尊敬・自尊の欲求)の重要性について、はじめて論及した書としても知られています。「自己実現人」や「社会人」といった仮説はあるのに、なぜか承認欲求に焦点を当てた研究は見当たらないことが指摘されています(78頁以下)。 刊行後は、多くの新聞や雑誌で取りあげられ、また最近は毎年、大学入試の国語や小論文にも出題されています。いろいろな年齢、職業(学校)、立場の人に是非一読していただきたい本です。 著者からのコメント 個人の視点からの組織論 これまでの経営学や組織論は、経営者あるいは組織の立場からのものがほとんどでした。しかし、個人の立場に立つと、全く別の側面がみえてきます。当たり前と思われてきた慣行に大きな問題があったり、「人間的」と考えられてきた組織が実は個人の自由や権利を妨げている場合もあります。 本書は、個人の立場、とりわけその本音の部分に肉薄し、そこから新たな組織論を構築しようと試みたものです。 刊行後は、多くの新聞や雑誌で取りあげられ、また最近は毎年、大学入試の国語や小論文にも出題されています。 いろいろな年齢、職業(学校)、立場の人に是非一読していただきたい本です。 内容(「BOOK」データベースより) 全社的目標への貢献や緊密なチームワークを求める企業、組織の一員でありつつ多様な価値観やパーソナリティの尊重を欲する従業員との間に、いかなる組織と個人の統合の枠組みが可能なのか。本書は既存の経営の問題点や社会的通念を踏まえながら、個人尊重を視点に据えて、組織の在り方を考える。 抜粋 ・・・自律性や自己実現の重要性については、多くの人々によって繰り返し唱えられてきている。これに対して、尊敬・自尊の欲求の重要性が声高に唱えられているのを、私は寡聞にして知らない。経営組織論や経営管理論、あるいは組織心理学の分野でも、「経済人」「社会人」「自己実現人」などの仮説は存在するが、マズローの分類のうち尊敬・自尊の欲求に焦点を当てた人間仮説は見当たらないようである。ところが現実の社会をみると、尊敬や自尊の欲求はむしろ他の欲求以上に大きな力を発揮しているように思われる。幼稚園から大学に至るまで続く「受験戦争」と、就職の際の有名企業志向。(やや古い印象を与えるかもしれないが)故郷に錦を飾ろうとする青雲の志。出世するためには家族の犠牲はもとより、場合によっては反社会的なことにも手を染めるような企業社会での競争。(78-79頁) 著者について 1954年兵庫県生まれ。神戸大学大学院経営学研究科修了。京都大学経済学博士。三重大学人文学部助教授、滋賀大学経済学部教授などを経て、現在は同志社大学政策学部教授。専門は組織論。とくに、個人を生かす組織・社会について研究している。受賞歴:組織学会高宮賞、経営科学文献賞、中小企業研究奨励賞本賞、日本労務学会研究奨励賞 続きを見る
個人尊重の組織論―企業と人の新しい関係 (中公新書)を読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
従来の日本の組織では、組織が個人の生活に至るまで「丸抱え」し「滅私奉公」させることで「超過利益」を得てきた。そのモデルの中では、個人は組織の中で全人格的に献身する「組織人」として期待され、その期待に応えるべく「やる気」を「演技」することが日常的に行われてきた。しかし、そのモデルが崩壊しつつある。高齢化や低成長に伴い、組織内での昇進で動機付けすることには限界が着ている。さらに、情報通信技術の発達に伴い、一人で仕事を完結させることが容易になった結果、個人が組織に依存する必要性が薄れた。加えて、共働きが一般化することにより、転勤や残業のような勤務形態が個人に受け入れにくくなってきていることも事実。さらに、不安定な経営環境のなかで高付加価値な仕事をするためには、組織の外部でも活躍できるような専門化した個人が必要になる。このような変化の中では、個人は組織に対して直接に統合されるのではなく、仕事を介して間接的に統合されるという新たなモデルに入る。そしてそのモデルにおいては、「やる気」ではなくあくまで仕事の成果で個人を評価する仕組や、よりオープンな雇用体系が必要となる。自分自身のことや自分自身が所属する組織を想起しながら、非常に示唆深い作品と感じました。

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