おかしな男 渥美清
本, 小林 信彦
によって 小林 信彦
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内容(「BOOK」データベースより) “誰からも愛された”フーテンの寅こと車寅次郎。映画「男はつらいよ」の寅次郎が、その衣装を脱いだときに現れる素顔の渥美清とは?そして、本名である田所康雄に戻ったときに見せる意外な一面。若き日の渥美清と親しくつきあった著者が、“自らが見聞したこと”だけをもとに、“おかしな男”の肖像を愛情こめて綴る実感的喜劇人伝。 内容(「MARC」データベースより) 映画「男はつらいよ」の寅次郎が、衣裳を脱いだときに現れる素顔の渥美清と本名・田所康雄に戻った時に見せる意外な一面。若き日の渥美清と親しい交際のあった著者が自ら見聞したことだけをもとに愛情こめて綴る実感的喜劇人伝。
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渥美清は国民栄誉賞に輝く国民的ヒーローである。日本人は渥美清演じる「寅さん」をこよなく愛した。寅さんを演じ続けた渥美清は私生活を全く見せない役者であった。このため多くの国民は寅さん=渥美清と錯覚をしていた部分が少なからずあったと思う。著者は、TV番組「夢であいましょう」に関わっていたことから、かなり早くに渥美清と知り合う。他人と接触しない渥美清であるが例外的に著者に興味を持ち、夜を徹して話し込む間柄になる。数少ない渥美清の知己である著者は、間近で渥美清の生の部分を感じ、目撃してゆく。渥美清の部屋はベッドと枕元の電話、それしかない住居であったそうだ。又、渥美清は鋭い批評家でもあり、常にその時代の売れっ子を研究し観察していた。非常に複雑な内面を持つ男であった渥美清が国民的ヒーローとなってゆく過程をインサイドストーリーとして捉えたのが本書である。巻末に小沢昭一との対談が付されていて、同業者さえもが興味津々であったという本書は渥美清評論の決定版と思われる。小沢昭一は寅さんは渥美清の半分の面白さしか出ていない、といっている。衰えゆく記憶を恐れ、記憶が確かなうちに渥美清を綴っておきたいという著者の冷静な筆致は味わい深く読みごたえ十分である。渥美清という人に関心を持っている方には是非ともお勧め。
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