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杳子・妻隠(つまごみ) (新潮文庫)

, 古井 由吉

によって 古井 由吉
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内容紹介 “杳子は深い谷底に一人で坐っていた。" 神経を病む女子大生〈杳子〉との、山中での異様な出会いに始まる、孤独で斬新な愛の世界……。 現代の青春を浮彫りにする芥川賞受賞作「杳子」。都会に住まう若い夫婦の日常の周辺にひろがる深淵を巧緻な筆に描く「妻隠」。卓抜な感性と濃密な筆致で生の深い感覚に分け入り、現代文学の新地平を切り拓いた著者の代表作二編を収録する。 【目次】 杳子 妻隠 解説:三木卓 本書収録「杳子」より 谷底から見上げる空はすでに雲に低く覆われ、両側に迫る斜面に密生した灌木が、黒く枯れはじめた葉の中から、ところどころ燃え残った紅を、薄暗く閉ざされた谷の空間にむかってぼうっと滲ませていた。河原には岩屑が流れにそって累々と横たわって静まりかえり、重くのしかかる暗さの底に、灰色の明るさを漂わせていた。その明るさの中で、杳子は平たい岩の上に軀(からだ)を小さくこごめて坐り、すぐ目の前の、誰かが戯れに積んでいった低いケルンを見つめていた。……(本書8ページ) 本書「解説」より この二つの作品はいわば密室の男女のものがたりであり、その意味において、妻隠という言葉はふさわしいといえるだろう。また杳(くら)い子という作中の女性主人公の名は、神経に異常を感じている者のものとして、その者から見た世界の様相を示しているともいえるだろうし、またその女性を見ているパートナーの男性から見たその女性の内部ともいえるだろう。また作品『妻隠』における夫婦の様態に危ういものを予感している主人公の世界認識・把握への不安の意識を示しているといえなくもないだろう。 ――三木卓(作家) 古井由吉(1937-2020) 東京生れ。東京大学文学部独文科修士課程修了。1971年「杳子」で芥川賞受賞。その後、1980年『栖』で日本文学大賞、1983年『槿』で谷崎潤一郎賞、1987年「中山坂」で川端康成文学賞、1990(平成 2 )年『仮往生伝試文』で読売文学賞、1997年『白髪の唄』で毎日芸術賞を受賞。その他の著書に『楽天記』『白暗淵』『鐘の渡り』『ゆらぐ玉の緒』など。2012年『古井由吉自撰作品』(全八巻)を刊行。
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