お化けの愛し方: なぜ人は怪談が好きなのか (ポプラ新書)
本, 荒俣 宏
によって 荒俣 宏
4.5 5つ星のうち 7 人の読者
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内容紹介 お化けは「怖い」。そうしたイメージは、いつから生まれたのか。「牡丹燈篭」や「雨月物語」。タイの怪談に、西洋恋愛怪談の「レノーレ」。幻の書『情史類略』……。その起源を探る中で見えてきたのは、実は人間とお化けは仲良くなれるし、恋だってできるという、新たな価値観だった――。ジャンルを越えて語りつくす、これぞアラマタお化け学終着点の一冊!・起源はなんでも中国か?――志怪と伝奇・人生を幸福にする要素としての「お化け」・乱歩の「怪談入門」が発掘したもの・近代怪談の初代ヒット作、『剪燈新話』・浅井了意翻案で日本化した「牡丹燈籠」・怪談の背景に戦争と伝説がある・西洋お化けの革新も恋愛物に始まった・平田篤胤による日本の幽冥界維新荒俣宏(あらまた・ひろし)作家。博物学者。1947年東京生まれ。武蔵野美術大学客員教授・サイバー大学客員教授。『帝都物語』がベストセラーになり、日本SF大賞受賞。『世界大博物辞典』でサントリー学芸賞受賞。神秘学・博物学・風水等多分野にわたり精力的に執筆活動を続け、著書・訳書多数。 内容(「BOOK」データベースより) お化けは「怖い」。そうしたイメージは、いつから生まれたのか。『牡丹燈籠』や『雨月物語』。タイの昔話に、西洋恋愛怪談の『レノーレ』。乱歩が見出した幻の書『情史類略』…。怪談の起源を探る中で見えてきたのは、実は人間とお化けは仲良くなれるし、恋だってできるという、衝撃の価値観だった―。この本を読めば、あなたも「あの世」に行きたくなるかも? 商品の説明をすべて表示する
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本書は、私が敬愛する荒俣さんの、恐らくは最後になるであろう・・・本人の弁・・「お化け学」の出版物なんだそうです。「怪奇文学大山脈」(全3巻、東京創元社)で全精力を使い果たし、出がらし状態になっていた荒俣さんにわずかに残っていたのは、中国の怪談への興味、そして、仕事上のことで、乱歩の「怪談入門」の恋愛怪談の章で、「情史類略」が熱っぽく語られているのを発見し、日本の怪談を語るうえで、最もっ重要なのは西洋ではなくて、中国だということに気付き、これが本書を書く根幹になっているのです。確かに、乱歩の「恋愛怪談」は、読みたくても本がなかったので、私自身もほとんどパスしていました。中国の怪談を語るうえで欠かせないのが、「剪燈新話」その中でも最も有名な話が「牡丹燈記」!このお話が、日本をはじめ、アジア各国に伝わります。日本では、浅井了以がこの話を基に、これを舞台を日本に移し変え、「牡丹灯籠」を著します。さらに、上田秋成は、これをもとに怪談の傑作「浅茅が宿」を著し、明治に入り、三遊亭圓朝の落語「怪談牡丹灯籠」へと進化していきます。言い忘れましたが、「聊斎志異」のお話も当然出てきます。また、話を進めるうえで必要なサンプル作品も紹介されています。そして、最後には平田篤胤が出てきて、イザナギの呪縛が解けて、霊との共同生活が遂に実現という結論になるのですが・・・・。読了して、理論的には承服しかねる部分もありますが、まさに荒俣ワールド全開といった感がします。私が荒俣さんの存在を最初に知ったのは、確か「ダンセイニ幻想小説集」の解説だったと記憶していますが、これは凄い人が現れたな、と思いました。以後、荒俣さんの興味は、怪奇幻想だけでなく、広く博物学的な世界に突入していくのですが、これが最後の「お化け学」・・・多分幻想怪奇のことだと思いますが・・・の著作になるというのは非常にさびしい限りです!!内容は、比較的解りやすいと思いますが、新書にしては、少しヴォリュームがありますから、へこたれないで読み続けてください!!
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