世界史を「移民」で読み解く (NHK出版新書 575)
本, 玉木 俊明
によって 玉木 俊明
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内容紹介 「人の流れ」がわかれば、世界史がわかる! 文明の興亡は、人類・民族の大移動がきっかけだった? 大航海時代・産業革命期を制した真の勝者は? ヨーロッパをはじめとする先進国が、難民を排除できないのはなぜ? いま、世界中で議論の的となっている「移民」をキーワードに、経済史研究の俊英が世界史をすっきり明快に読み解く一冊。第1部 人類・民族の「大移動」とは何だったか第2部 世界の「交易」はいかに結びついたか第3部 ヨーロッパ繁栄は「移民」がもたらしたか―「はじめに」より 戦争や迫害、さらには奴隷になったため、「移民」となることを余儀される人たちは、昔から多かった。彼らは、苦労もあっただろうが、移住した先で自らの持つ技術・文化などを伝え、社会そのものを新たに変貌させることに貢献してきた。世界史とは、こうした「移民」が築き上げてきたものの集積だと言って過言ではあるまい。(中略)本書が、人の移動を通して、長期的な視野で世界史から現在の社会を考えるヒントになれば幸いである。目次 はじめに●第1部 人類・民族の「大移動」とは何だったか第1章 文明はどのように伝播したか「世界最初の移民」とは/六大文明の誕生「移民」が文明を?いだ/「王の道」は一日にしてならず古代エジプトとフェニキア人第2章 太平洋を渡った人々の謎海上ルートでの移動開始/航海者による島のネットワーク誰が古代アメリカ文明を築いたか/日本列島への到達●第3章 誰がヨーロッパ文明をつくったかギリシア文明はオリエント文明の一部に過ぎない植民市建設に積極的だった理由ペルシア戦争にギリシアは勝利したかアレクサンドロス大王の遠征と「移民」交易の民・フェニキア人の役割とは大帝国へと成長する古代ローマこうしてヨーロッパはオリエントを忘れた●第4章 遊牧民から文明の興亡を考える世界史の主役としての遊牧民スキタイ人、匈奴、フン人「ゲルマン民族の大移動」はなぜ起こったか渡来人はなぜ日本にきたかユーラシア大陸を支配したモンゴル帝国黒死病流行の原因はモンゴル帝国?第2部 世界の「交易」はいかに結びついたか●第5章 ヨーロッパを包囲したムスリム商人台頭するイスラーム/正統カリフ時代からウマイヤ朝へ「アッバース革命」という転換点/「商業の復活」は大きな誤り世界中に移り住んだムスリム商人●第6章 商業の民として活躍したヴァイキング北の海を統一したのは誰か/拡大するヴァイキングの商業圏イングランドを征服したノルマン人/北海帝国を築いたデーン人ヴァイキング活躍を支えたロングシップ「商業の復活」とヴァイキング●第7章 ポルトガルは大航海時代の敗者ではない莫大な利益を生んだサハラ縦断交易レコンキスタから大航海時代へポルトガルのアジア進出/ニュークリスチャンの動向密貿易で潤ったイエズス会新世界に広がる貿易ネットワークポルトガルは「敗者」ではなかった●第8章 異文化間交易圏としてのアジアイスラーム化する東南アジア永楽帝と鄭和の遠征/貿易拠点としての琉球琉球はなぜ中国との関係を続けたかポルトガル人とアジア/徳川幕府による近代的な貿易政策南洋日本人町の位置づけ●第9章 黒人とユダヤ人が起こした「砂糖革命」「砂糖革命」とは何か/大変動する環大西洋世界大西洋奴隷貿易と人口増の関係/オランダの新世界進出技術伝播のカギとなったセファルディム第3部 ヨーロッパ繁栄は「移民」がもたらしたか●第10章 アルメニア人から見た産業革命アルメニア商人のネットワークユーラシア大陸でのアルメニア人の活躍/綿はいかに取引されたか職人としてのアルメニア人/ヨーロッパ人は何を手に入れたか●第11章 大英帝国に拡散したスコットランド人大英帝国の複雑な成り立ち/移住するスコットランド人ヨーロッパからアメリカへの移民/スコットランド人が果たした役割お雇い外国人とスコットランド人/大英帝国崩壊で何が起こるか●第12章 ヨーロッパ人はなぜ植民地に渡ったかグローバリゼーションの時代/蒸気船の発達ヨーロッパ人はなぜ新世界に移住したかイギリス国内で起こっていたこと/アメリカの台頭●第13章 世界史のなかのヨーロッパ移民問題帝国主義が決めた世界地図ヨーロッパに押し寄せる難民帝国主義諸国の思惑/火を噴いた「ヨーロッパの火薬庫」ユーゴスラビア内戦の爪痕コソボ難民は民族問題の縮図/シリアの難民問題イラクとクウェートの場合帝国主義の負の遺産 内容(「BOOK」データベースより) 「人の流れ」がわかれば、世界史が驚くほどよくわかる!文明の興亡は、人類・民族の大移動がきっかけだった?大航海時代・産業革命期を制した真の勝者は?ヨーロッパをはじめとする先進国が、難民を排除できないのはなぜ?いま、世界中で議論の的となっている「移民」をキーワードに、経済史研究の俊英が世界史をすっきり明快に読み解く一冊。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 玉木/俊明 1964年、大阪市生まれ。京都産業大学経済学部教授。同志社大学大学院文学研究科(文化史学専攻)博士後期課程単位取得退学。専門は近代ヨーロッパ経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ファイル名 : 世界史を-移民-で読み解く-nhk出版新書-575.pdf
世界史を「移民」で読み解く (NHK出版新書 575)を読んだ後、読者のコメントの下に見つけるでしょう。 参考までにご検討ください。
初めの7割は世界史を網羅的に説明しているだけで、その視点が人類の移動ということに置かれているのが特色だ。移民と銘打ってはいるが人類の出アフリカを移民というのは間違いだ。移民というのは主に経済的な理由で別の国に生活の本拠を移すことをいう。つまり、少なくとも国家の概念が前提となる。標題の移民に「」を付けているがミスリードにしかならない。そう考えるとこの本で意味があるのは後半三分の一だけと言っていい。帝国主義諸国特にスペイン、ポルトガル、イギリスの奴隷貿易とイギリスのスコットランドからアメリカをはじめとする大英帝国植民地への移民の流れの説明だろう。ただ、そうは言っても、そういう事実があったという以上の整理がされておらずこれを読んでも、さしたる知見は得られない。スコットランド移民が連合王国の一員だったから各植民地に進出できた、だが、今やEUについて、イングラントは離脱、スコットランドは残留と同床異夢であり連合王国を組むメリットは無くなっているという。だが、それが移民とどう関係するのか。移民は移民先の国が受け入れることが前提だ。出身国がどうこうということではない。全体として網羅的で世界史の勉強にはなる。だが、高校の教科書レベルの内容でありわざわざ購入するほどのものではない。
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